ベルギーで車を購入するときに知っておきたいこと🚙
ブリュッセルに住み始めた去年の8月、私たち夫婦はとりあえず車なしの生活でいいよね?と意見が一致していました。ブリュッセル生活がそこまで長くなる予定ではないことと、電車、バス、トラムの交通網が発達しているので生活には困らなそうということが理由でした。
ところがその1ヶ月後の9月末、私たちは車を購入。
1ヶ月の間に何があったのかは覚えていませんが、とにかく車を買うことを心に決めてから購入するまではとんとん拍子で進み、車見学に行ったその日に支払いまで済ませました。
そこまではとてもスピーディーでよかったのです。が。
その後の手続きが遅々として進まず、結局購入してから乗れるようになるまで5ヶ月かかりました。
そこまで遅くなることはなかなかないことだとは思いますが、購入手続きの順番を間違えると面倒が増えてしまうので、大まかな流れを参考までに書いておきたいと思います。
大きな企業さんの駐在でいらしてる方たちは会社から車を支給されるらしく、ブリュッセル生活に最初から車がついてくるので本当に羨ましい!
車購入の流れ
車購入の際には大きく分けると次のような流れになります。
車を購入する
↓
保険加入必要書類をもらう
↓
保険に加入する
↓
ナンバープレートをもらう
↓
ナンバープレートの複製
簡単そうですが、順番を間違えずにひとつずつクリアしていく必要があります。
車の購入(中古車ショップ)
人によって新車を買うか中古車を買うかに分かれると思いますが、私たちは超長期滞在ではないので中古車から探すことにしました。
オンラインでさまざまな中古車ショップの在庫を比較することができるので、まずはそこで目星をつけると良いと思います。
その上で私たちが問い合わせをして実際に見学に行ったのがこちら。
おそらく100台以上の販売車が駐車場内にずらっと並べられていて、自由に見るもよし、お店の人に好みを伝えて案内してもらうもよし、といった感じでした。
お店の人はみんなとてもキビキビと働いていて、私たちにおすすめ車の案内をしてくれた人も在庫車の情報が全部頭の中に入っているかのように的確におすすめしてくれたし、なにより「車大好きです!」が伝わってきて忖度ない意見を伝えてくれる印象でとてもよかったです。
正直車にまったく興味がなくてオートマかマニュアルかくらいの違いしかわからない私も、この人がこんなにおすすめするならこの車に乗ってみたいかも!と思ってしまったほど。
私たちは購入の際だけでなくその後のトラブルで何度もこちらにお世話になることになったのですが、きちんと対応してもらえて本当に助かりました。
*中古車業車はピンキリのようです。中古といえども安い買い物ではないのでしっかり吟味することをおすすめします。夫曰く、オンラインカタログでカーパス(車検証明)を一緒に提示しているかどうかが一つの指標になるそうです。
ちなみにベルギーは年季物の車やあちこち凹んでいるような車がふつうに走っているので、おそらく日本だったらクレームものの中古車も当たり前に売られているなという印象です。その辺りは実際目で見て確かめて、あまりハイクオリティを求めずにある程度で見切りをつけることも大事かもしれません。
自動車保険
車を購入したら、車両引き渡しの前にまず保険に入ります。
保険専門会社(ethiasなど)、または保険を扱う銀行(INGなど)で契約することになります。
加入の際に必要なのは自動車購入店が発行してくれる購入証明書(invoice)、カーパス(車検証明)、ナンバープレート登録請求書(通称ピンクペーパー)。自分で用意しなければいけないのはベルギーで有効な運転免許証、ID、そしてNISS。
私たちに足りなかったのはこのNISS=Social Security ID Numberでした。
ナショナルレジスターナンバーとも呼ばれるこのNISS、おそらくふつうはベルギーのIDカードを取得すればついてくるものだと思うのですが、私たちはIDカードとNISSの発行がバラバラになり、いつまでたってもNISSが発行されませんでした。
なぜ発行されなかったのかなどの詳細は私にもわからないので割愛しますが、とにかくこのNISSがないと保険には加入できなかったのです。
結局夫のNISSが発行されたのが2月。車を購入した9月から5ヶ月間、ただ待つことしかできず、その間に書類の有効期限は切れるわお店での車の保管期限は切れるわでもどかしい上に散々な日々でした。
(ちなみに私のNISSは未だに発行されていません。発行される前に帰国しちゃうんじゃないか…?笑)
必要書類がすべて揃えば、加入はとてもスムーズに進みます。
保険会社にナンバープレート登録請求書=ピンクペーパーを提出することで自分のナンバープレートが発行され、自宅(または自動車購入店)に郵送で届けてもらえます。
(ベルギーのナンバープレートは個人に紐づけられていて、たとえば新しい車に乗り換える場合は自分のナンバープレートを外して新しい車に付け替えるそうです。)
ちなみに私たちが保険会社で契約手続きをしたのは夕方4時半頃だったのですが、なんと翌日の朝9時にナンバープレートが届きました!こんなに仕事の早いベルギーは前代未聞だったのでかなりびっくり。
ナンバープレートは有料で、自宅に届いたときに30ユーロ払う必要があります。
ナンバープレートの複製
自宅に届くナンバープレートは1枚だけなので、車の前後に付けるためにもう1枚を複製しに行きます。私たちはMISTER MINITでやってもらいました。
現物を見せて複製をお願いすると、その場でこんな機械を使って作ってくれます。
1文字ずつ、ガチャンガチャンと挟んで印字していきます。ものの1分で完成。
余談ですが、ベルギーのナンバープレートは
1-ABC-123
のように数字とアルファベットが並んでいます。
2010年以降、通常車は数字の1で始まる番号だったのですが、だんだんそれでは足りなくなってきたそうで2021年初頭からは数字の2始まりのナンバープレートが出始めたそうです。
私たちのナンバープレートももちろん2始まり。
2010年以前に発行されたナンバープレートも今も現役だし、2000ユーロ(!)払えば自分の好きな英数字を取得できるそうです。最近では COVID-19 という番号も実際に発行されたらしいです…なんという趣味😅
あとブリュッセル市内ではCD始まり=外交官ナンバーもよく見かけます。
また製造から25年以上経つ車=クラシックカーはO始まりで、通勤や社用車としての利用、タクシーなど営利目的での使用は禁止といった決まりがあるそうです。
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ここまできたらあとは車に自分でナンバープレートを取り付けて完成。これでようやく車生活の始まりです。
私は日本で車を買ったことがないのでもしかしたら日本も似たようなものなのかもしれないですし、今回も夫がほとんど手続きをやってくれて横で見ているだけの状態でしたが、なんて面倒なんだろう!と思いました。
もちろんNISSがない問題のせいでここには書かなかった余計な手続きがたくさん増えたというのもありますが、そうでなくても”ベルギーのふつう”を知らない私たちにとってはひとつひとつが手探りで大変でした。なのでこのブログがいつか誰かの役に立ったらとても嬉しいです。
そして今後ベルギーで車を購入する人に一番伝えたいのは
NISSが手に入ってから購入しましょう!
ということです。ほんと面倒だから!